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人が辞めない組織の実現は、多くの企業担当者が直面している重要課題です。エン・ジャパンの調査では、直近3年間で半年以内の早期離職があった企業は57%に上り、定着率に課題を感じる企業は69%に達しています(調査期間:2025年3月11日~4月7日、有効回答数:291社)。
本記事では、早期離職の実態と原因を整理したうえで、人が辞めない組織を作るための考え方を解説しました。
早期離職とは一般的に、入社から3年以内に会社を離れることを指します。厚生労働省の調査では、令和3年3月に大学を卒業した新卒就職者の3年以内離職率は34.9%となっており、約3人に1人が早期に職場を去っているのが現状です。企業規模を問わず、採用した人材を定着させることが経営課題として重視されています。
早期離職の背景には複数の要因があるのが実態です。エン・ジャパンの調査では、「仕事内容のミスマッチ」が離職要因の57%を占め、最も多い理由となりました。
また、入社前後のギャップだけでなく、「人間関係の問題」「職場の文化や価値観が合わない」「給与や待遇への不満」「会社の経営方針や将来性への不満不安」なども、早期離職の要因として挙げられています。(調査期間:2025年3月11日~4月7日、有効回答数:291社)。
採用・教育にかかったコストが回収できないまま人材が流出することは、企業にとって直接的な損失です。就職未来研究所「就職白書2020」をもとにしたデータでは、2019年の1人当たり平均採用コストは新卒93.6万円、中途103.3万円とされており、早期離職は採用投資の回収前に人材が流出するリスクにつながります。
さらに、組織内に「離職しやすい職場」というイメージが定着すると、残る社員のエンゲージメントや採用ブランドにも悪影響が及ぶでしょう。
「自分が何を期待されているのか」「どうすれば評価されるのか」が不明確な組織では、社員は方向性を見失いがちです。特に若手社員は具体的な行動指針を必要としており、評価基準が曖昧なまま放置されると「ここにいても成長できない」という判断につながります。
日常的な対話の場がないと、社員の悩みや不満は表面化しにくくなりがちです。「相談しても変わらない」「本音を言える雰囲気がない」といった状況が続くと、退職の意思が固まってから初めて上司に伝えられるケースが増えるでしょう。1on1など対話の仕組みが、初期の離職サインを察知する機会になります。
経営層が描くビジョンや方向性が現場に届いていないと、社員は自分の業務の意義を見出せません。目的意識なく業務をこなす状態が続くと、やりがいの喪失から離職意向が高まりがちです。経営メッセージの日常的な発信と、現場との接点づくりが欠かせません。
インナーブランディングとは、企業理念や価値観を社員に浸透させ、組織の方向性を共有する取り組みです。価値観が共有された組織では、社員が「自分はここで働き続けたい」と感じる土台が自然と形成されます。専門のコンサルティング会社と連携することで、体系的な施策設計が可能です。
「辞めさせない」という発想ではなく、「ここで働き続けることで自分が成長できる」「この組織の一員であることに誇りを持てる」という積極的な動機を設計する視点が重要といえます。エンゲージメントを高める施策が、結果として定着率向上につながるでしょう。
エン・ジャパンの調査では、早期離職の要因として「仕事内容のミスマッチ」を挙げた企業が57%に上っています(調査期間:2025年3月11日~4月7日、有効回答数:291社)。
「仕事内容のミスマッチ」の多くは採用メッセージと職場実態のギャップから生まれます。企業文化や働き方について採用段階から正確に伝えることで、入社後のギャップを最小化できるでしょう。リアリティのある情報発信が、早期離職の予防に直結します。
離職理由の多くは「上司への不満」に関わっており、管理職の行動が定着率を大きく左右するでしょう。1on1の質やフィードバックの方法など、管理職のコミュニケーションスキルを組織的に高める仕組みが、現場での離職防止に効果的です。
業務手順の習得にとどまらず、企業の理念・価値観・行動指針を体験的に理解してもらうオンボーディングが、早期離職を防ぐうえで有効といえます。入社直後の「この会社に合っているか」という不安を、組織文化の共有によって払拭することが定着の基盤となるでしょう。
人が辞めない組織づくりには、採用・育成・評価・文化形成を連動させる包括的な視点が求められます。特にインナーブランディングは、社員が「働き続けたい」と感じる組織文化の醸成に直接アプローチできるのが特徴です。
自社だけで施策の設計が難しいと感じた場合には、専門のコンサルタントへの相談もひとつの選択肢と言えます。当メディアでは、組織改善に強いインナーブランディングのコンサル会社をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。