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タグラインは、企業やブランドの価値観・存在意義を短い言葉で表現したフレーズです。自社らしさを社内外に伝え、社員の理念理解や行動を促す役割も担います。本記事では、タグラインの役割や策定手順、浸透させるためのポイントを解説します。
タグラインは、自社のパーパスやブランド価値、目指す姿などを短い言葉に凝縮したものです。ロゴと組み合わせて使われることも多く、ブランドの特徴や姿勢を社外に伝えるとともに、社員が自社の理念や大切にする価値観を理解する手がかりにもなります。
パーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)が企業の存在意義や目指す方向性、行動基準などを体系的に示すのに対し、タグラインはその要点を簡潔に表現します。覚えやすく、社員が自分の言葉として口にしやすい表現にすることが大切です。
スローガンは特定の活動や目標に向けた合言葉、キャッチコピーは商品やサービスへの関心を引く広告表現として使われることが一般的です。一方、タグラインは企業やブランドの価値観・姿勢を象徴する言葉として用いられます。ただし、これらの使い分けは企業やブランドによって異なり、明確に区別されない場合もあります。
インナーブランディングでは、タグラインを掲げるだけでなく、その背景や意味を社員に伝え、日々の業務や行動と結びつけることが重要です。
タグラインは、経営者の思いつきや流行の言葉だけで作るものではありません。まずは自社の歴史、事業の存在意義、顧客への提供価値、競合との違い、社員が仕事に誇りを感じる場面などを整理します。
パーパスやMVVがすでに定められている場合は、その内容を確認し、タグラインで特に伝えたい価値やメッセージを明確にします。経営層だけでなく現場の社員からも意見を集めることで、経営が伝えたい自社の姿と、社員が日々の業務で実感している自社らしさの両方を反映しやすくなります。
整理した価値やメッセージを軸に、タグラインの候補案を複数作成します。社内で案を出し合う方法のほか、コピーライターや外部パートナーと協力して検討する方法もあります。
この段階では、一つの表現に早い段階で絞り込まず、方向性の異なる案を比較することが大切です。短く印象的な言葉にするだけでなく、その言葉が自社のどのような価値を表し、誰に何を伝えるものなのかを整理しておくと、後の評価や選定が進めやすくなります。
複数の候補案ができたら、あらかじめ評価基準を設けて比較します。例えば、自社らしさが表現されているか、伝えたい価値が明確か、覚えやすく口に出しやすいか、パーパスやMVVとの一貫性があるか、といった観点が考えられます。
見た目の格好よさや語感だけで選ぶのではなく、企業の理念や実際の事業活動と結びついているかを確認することが重要です。候補案ごとの意図や期待する効果を整理しておけば、関係者間で判断の理由を共有しやすくなります。
候補案を経営層だけで決めず、社員アンケートやワークショップなどを通じて反応を確かめます。社員がどのような意味を受け取ったか、自社らしさを感じられるか、表現に違和感がないかを確認することで、言葉の伝わり方を検証できます。
ただし、社員の人気が高い案をそのまま採用すればよいとは限りません。社員の声を参考にしながら、経営方針やブランドの方向性との整合性も踏まえて最終決定することが大切です。
タグラインの発表は、単なるお披露目ではなく、社内への浸透活動の起点です。全社集会や社内報、動画、ブランドブックなどを活用し、完成した言葉だけでなく、策定の背景や込められた思いも合わせて伝えます。
また、発表後にどのような場面で活用するのかを事前に決めておくことも重要です。社内コミュニケーションや研修、日々の業務に関連づけるなど、社員がタグラインの意味を繰り返し理解できる機会を設けます。認知されることだけをゴールとせず、理念への理解や行動につながっているかを継続的に確認しましょう。
格好よさや網羅性を優先しすぎると、意味が伝わりにくく、社員の記憶に残りにくいタグラインになることがあります。伝えたい価値を整理したうえで、短く、口に出しやすく、日常業務のなかでも思い出せる言葉を目指しましょう。
一方で、短さだけを重視して意味が曖昧になってしまっては本来の役割を果たせません。言葉だけを見ても伝えたい方向性がある程度理解でき、詳しい背景を知ることでさらに理解が深まるような表現が理想的です。
経営層の思いや熱意だけをもとにタグラインを作ると、現場の社員が実感を持てず、日々の業務とのつながりを感じられない場合があります。策定の段階から社員の声や実践例を取り入れ、経営が伝えたい価値と現場が大切にしていることの接点を探ることが大切です。
また、完成したタグラインを一方的に伝えるだけでなく、言葉に込められた意味を社員が理解し、自分の仕事と結びつけて考えられる機会を設けましょう。社員が自社の言葉として受け止められるよう、対話を重ねることが浸透を進めるうえで重要です。
タグラインを策定しても、発表時に紹介するだけでは、時間の経過とともに意識されにくくなる可能性があります。名刺やWebサイト、社内報、メール署名など、日常的に目に触れる場所で活用するほか、社内研修や会議などで意味を振り返る機会を設けることも有効です。
さらに、タグラインが表す価値観を体現した社員の行動や具体的な事例を紹介すると、抽象的な言葉と実際の仕事とのつながりを理解しやすくなります。ブランドブックなどのツールとも連携させ、タグラインの背景や行動指針を一貫して伝える仕組みを整えましょう。
タグラインは、策定して終わりではありません。社員が言葉を知っているかだけでなく、意味を理解しているか、自社の価値観を説明できるか、日々の業務や判断と結びつけられているかなどを確認しましょう。
社員アンケートや社内ヒアリング、浸透施策への参加状況などを参考に、伝え方や活用方法を改善していくことが大切です。事業内容や経営方針に大きな変化があった場合には、タグラインが現在の自社の姿を適切に表しているかも見直します。
タグラインは、企業やブランドの価値観を短い言葉で表現し、社内外に自社らしさを伝えるための重要なメッセージです。策定にあたっては、自社の価値や強みを整理し、複数の候補案を評価したうえで、経営方針との整合性や社員への伝わり方を確認することが大切です。
また、タグラインは発表するだけで社内に浸透するものではありません。策定の背景を共有し、ブランドブックや社内研修、日常のコミュニケーションなどを通じて繰り返し活用することで、理念への理解や日々の行動とのつながりを深めていきます。
タグラインの策定から社内への浸透までを一貫して進めたい場合は、インナーブランディングの専門会社に相談することも選択肢の一つです。自社の課題や目指す姿を整理し、理念の言語化から浸透施策まで一貫した取り組みを検討しましょう。